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【取材記事】宮城朗読奉仕会

「宮城朗読奉仕会」 は視覚障害者の福祉向上の為に、録音資料を作成・提供するボランティア団体。昭和47年設立。会員150名。録音資料として音声化するものは、本や雑誌だけではなく、公報・行政の委託資料・取扱説明書・試験問題集・写真集等々ありとあらゆるもので、この音声化する事を「音訳(おんやく)」という。録音資料は 電子図書館「サピエ」 に登録され、全国の視覚障害者に無料で利用されている。また、会では対面音訳等のプライベートサービスにも対応。利用者の生活の質の向上に貢献している。

視覚に障害を持つ人達にとって、最も不便な事は、“ 移 動 ” と “ 読み書き ” であると言われている。私達人間は、毎日当たり前の様に視覚から多くの情報を得て生活しているが、ひとたび、怪我や病気で視力を失えば生活は一変するだろう。私もアイマスクをして介助され路上を歩いた事があるが、その不安と恐怖はかなりのものだった。日本では現在、生まれながらに全盲の人よりも、60代以降の中途視覚障害者の方が圧倒的に多いという。つまり、これは私達の身にいずれ起こる可能性の高い 身近な問題 であるという事なのだ...

世間の典型的なイメージに 「 視覚障害者=全盲=点字 」  があるが、中途視覚障害者が点字を覚えるのは容易ではない。そこで時代と共に音訳による録音資料が制作され始めたのだ。近年は、有料のCDやIT技術の発達によりダウンロード出来るものも増えてはきたが、文学書が多くまだまだ商業的に採算の取れるものに限られており、利用者の生活に寄り添ったものとは言いがたい...

音訳受講生の多くは “ 朗 読 ” をイメージしてやってくるそうだ。しかし、授業が始まると『本を読むのが好きだから...』 だけでは出来ない奥深さに気づく事になる。朗読が “ 鑑賞目的・主観的読み・文字のみ読む ” であるのに対し、音訳は “ 利用者の情報入手目的・客観的読み・目で見る全てを読む ” と大きく違う。利用者は音訳者の読みを聞きたいのではなく、そこに何が書いてあるのか情報を知りたいのだ。その為、音訳者に個性は必要ない。朗読との大きな違いだ。音訳者は 「目の代わり」 としての姿勢を貫いている。

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本間会長が活動への想いを語ってくれた...

『 個人的には、子供を育てながら自分も人間として成長したいとの想いもあった。もちろん趣味でやるのではなく、私達はあくまでも利用者の目の代わりであり、利用者に役立つ活動であることが大事。正確で信頼される録音資料を沢山作り、迅速に利用者にお届けする事が私達の使命なのです。音訳活動は難しそうに思われるかも知れませんが、だからこそ遣り甲斐があります。是非、一緒に活動に参加してほしい! 』

音訳者の活躍の場は広がる一方だ。視覚障害者が情報障害者とならないように、宮城朗読奉仕会は日々研鑽を重ね録音資料を作り続けている。声を出す職業は多くあるが、視覚障害者の為に読むプロは音訳者だけだ。ボランティアであっても、手は抜かない。皆さんも、音訳の門を叩いてみてはどうだろうか...

(記事:今野)

問合せ:宮城県視覚障害者情報センター
平日、第1・第3日曜日9:00~17:00
TEL.022-234-4047
FAX.022-219-1642
Email: miyagi-sikaku@nifty.com
HP URL. http://homepage3.nifty.com/miyagi-sikaku/center.html

*「サピエ」は視覚障害者を始め、目で文字を読むことが困難な方々に対して、様々な情報を展示、音声データ等で提供するネットワーク。